H24年度 油画集中講義「リトマス苔テスト」 終了しました

講義・実習

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油画第4研究室集中講義 増本泰斗「リトマス苔テスト」
日時:2012年10月15(月)、16日 (火)
13:30-20:00 企画・設計・練習
*体を動かして話し合いながらパフォーマンスを作ります。
場所:東京芸術大学取手校地専門教育棟3階アトリエ
日時:2012年10月17日 (水)
13:30-19:00 企画・設計・練習
*体を動かして話し合いながらパフォーマンスを作ります。
19:00-20:00 パフォーマンス上演
場所:東京芸術大学上野校地絵画棟1階立体工房
講師:増本泰斗 Masumoto Yasuto (アーティスト)
対象:油画全学生 第四研究室学生は必修
担当教員:齋藤芽生
担当助手:佐貫巧
*15・16日と17日は校舎が異なりますのでご注意下さい。
*連絡先  y.iiyama2@gmail.com (代表者:飯山由貴)

増本泰斗|Yasuto Masumoto

1981年広島県生まれ。アーティスト。2006年東京工芸大学大学院修士課程メディアアート専攻写真領域修了。
2007年~2008年ポルトガル・リスボン在住。「Gremio Recreativo Escola de Politica」及び「The Academy of Alter-globalization」主宰。
ディスカッション・プロジェクト「Picnic」企画。主な展覧会に「クリテリオム83(水戸芸術館/2012)」
「Blue, Red, White and Yellow(観察社、広州/2011)」「No Soul For Sale(テートモダン、ロンドン/2010)」
「56th Oberhausen International Short Film Festival(ドイツ/2010)」など。

正しさの衝突。確からしさを鵜呑みにする態度。価値観や世代間、文化背景の違いによる認識の齟齬。
あるはずもないという想像力の欠如。例えどんな理由であれ、人に危害を加えることを是とする社会は健全ではない。
同時に、人に危害を加えたことを忘却する社会も健全ではないはずだ。けれども、そんな正気の沙汰がいとも簡単に
揺らいでしまうコトを僕らは知っている。分からないのは、何故そうなってしまうのかということである。
リトマス苔テストは、「戦争」というトピックが揺さぶる僕たちの思考や感情、世代を超えたトラウマを乗り越えること。
様々な齟齬を解消すること。そのようなことに立ち向かっていくパフォーマンスである。
それは、「戦争」に対する身の程と身の処し方における新たな知性を、脳の片側だけでなく、腰から上と腰から下を別々に、
あるいは同時に用いて、手繰りよせようとする試みである。しかし不安なのは、そうした知性を本当に僕らは獲得できるのかということ。
そして、その知性は本当に機能するのかということ。そもそも人間の知性では戦争における様々な齟齬、掻き立てられる感情、
トラウマを解消できないのではないか。それは、切望しているにも関わらず、いつまでたっても戦争がなくならない人類の歴史を見れば明白である。
つまり、人間は戦争を解決できないのではないか?
そこで僕らはまず人間を辞めてみようと思う。動物や植物、自然や宇宙人、機械や昆虫。そこから始めてみようと思う。
「戦争」に迷い込んだ動物や昆虫たちの挙動や思考、植物たちの佇まい、戦場となった大地、降り注ぐ雨、吹き抜ける風。
無機質なマシーンが淡々とこなす作業や俯瞰すぎる視点からの宇宙人の会話が教えてくれること。
そこにはきっと大切なコトやモノが転がっているだろう。つまり、向かうべき地点はそこにある。